こんにちは。リナークのニシザワです。

今日は東洋経済オンラインの記事から、カルビー株式会社(以下、カルビー)が進めるデジタルトランスフォーメーション(DX)について学べるポイントをお伝えします。
カルビーの全社的なDX推進は現場社員のノウハウを活用することに焦点を当てており、私たちの推奨する「現場の知識を活かしたシステム開発」と多くの共通点がありました。

現場からのデータ収集と分析の強化

カルビーは滋賀県の湖南工場をモデルに、日報の電子化や機械による自動検査を導入しました。
これにより、作業の省力化と効率化を実現しています。この取り組みは、効率化と品質維持のバランスを重視し、日々の生産活動の中で得られるデータを効果的に活用しています。

「アナログをデジタルに置き換える、泥臭いところからやっています」。こう語るのは、カルビーDX推進部の森山正二郎部長。

費用対効果も見えない中で手探りで進めていくためには、スモールスタートでトライアンドエラーを繰り返し、最適な方法を見つけていくことが重要です。

滋賀県湖南工場の取り組み

カルビーはまず滋賀県の湖南工場に絞ってDXを開始しました。

このように特定の場所やプロセスに集中することで、効果を迅速に確認し、改善点を見つけやすくなります。
生産日報の電子化によって現場からのフィードバックを取り入れ、効果的な改善を実現しました。湖南工場での取り組みは、他の工場や部門に展開するためのモデルケースとなりました。

それは、生産日報の電子化により、現場の作業員が手作業で行っていた記録作業を大幅に削減し、データの正確性と共有性が向上しました。これにより、現場の状況をリアルタイムで把握し、迅速な意思決定が可能となりました。また、機械による自動検査の導入も大きな効果を上げており、品質管理の精度が向上しています。

現場社員の発案によるデジタル変革

現場社員の発案が重要な役割を果たしています。徐々に現場スタッフによる仕組みも増え、生産状況を見える化したデジタルサイネージはその一例です。DX推進部や情報システム部はITツールの勉強会を開き、マニュアル動画を作成するなど現場のサポートを進めています。

湖南工場は2019年からDXのモデル工場としてオペレーションの改善を進めてきました。日々の工場業務もデータで振り返ることができ、リアルタイムで業務改善に取り組んでいます。昨日の成果を翌日に確認し、歩留まりが悪化している場合には「次はここを変えてみよう」と即座に対応しています。

この取り組みは、現場社員のアイデアと経験を活かし、迅速な改善策を実施することで、生産効率と品質の向上に寄与しています。少しずつデータを集めることで、データから何が見えるのか、見える化することで何ができるのかという考え方が統一され、社内の協力体制が構築されています。

効率化と品質維持のバランス

この取り組みでは効率化と品質維持のバランスを取ることを重視しています。これは、私たちがシステム開発においてリスクと効果のバランスを取ることを強調している点と一致します。小さく始めて大成功するためには、このバランスが重要です。

カルビーのDXは、単なる技術導入にとどまらず、現場の声を反映させた実践的な改善策を実施することで、全社的な効果を引き出しています。

現場の知識とデジタル技術を融合させることで、効率化と品質維持を両立させる取り組みを進めています。現場からのフィードバックを基にした改善策は、全社的な効果をもたらすための重要な要素です。

現場主導のアプローチの重要性

もう一つの重要な教訓は、現場主導のアプローチが効果的であるということです。現場の社員が直接関与し、彼らの知識と経験を活用することで、より実用的で効果的なソリューションが生まれます。

現場主導のアプローチは、社員のモチベーションを高める効果もあります。カルビーでは、現場の社員がDXの推進に積極的に参加し、自分たちのアイデアが実際に反映されることで、仕事に対する誇りや責任感が高まっています。これは、システム開発においても同様であり、現場の声を反映させることで、社員のエンゲージメントを高めることができます。

まとめ

カルビーのDX推進から学べることは、現場主導のアプローチが効果的であるということです。現場のノウハウを活用し、データ収集と分析を強化することで、効率化と品質維持を両立させることが可能です。

カルビーの取り組みは、他の企業にとってもとても参考になるものであり、現場の声を重視したデジタル変革のひとつの成功例です。
小さく始め、徐々に拡大するアプローチは、リスクを抑えつつ効果的な改善を実現するための鍵となります。

現場の声を重視し、デジタル技術を活用することで、効率的で品質の高い業務を実現することができます。現場からのフィードバックを基にした改善策は、全社的な効果をもたらすための重要な要素です。カルビーのように、現場の声を活かしたデジタル変革を推進することで、企業全体の効果を引き出すことが可能です。
ぜひ、現場主導のアプローチを取り入れて、業務の効率化と品質向上を目指してみてください。


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