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テレコ出荷とは?起きる原因と、誤送を年0件にしたバーコード照合の仕組み

テレコ出荷とは、2つの注文の荷物や送り状が入れ替わって出荷されるミスです。起きる原因と目視チェックで防ぎきれない理由、バーコード照合で防ぐ仕組みを、誤送を年0件にした物流センターの実例とあわせて解説します。

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こんにちは。リナークのニシザワです。

「A社に送るはずの荷物がB社に届き、B社の荷物はA社に届いた」。出荷の現場では、こうした入れ違いを「テレコ出荷」と呼びます。1件のミスで2社に迷惑をかけるため、誤出荷の中でも影響が大きいミスです。

この記事では、テレコ出荷とは何か、なぜ起きるのか、どうすれば防げるのかを説明します。後半では、私が前職のメーカー物流センターで関わった、誤送を年0件にした仕組みも紹介します。

テレコ出荷とは

テレコ出荷とは、2つ以上の注文の荷物・送り状・納品書などが入れ替わった状態で出荷されてしまうミスのことです。

「テレコ」は、2つのものが入れ違い・互い違いになっている状態を指す現場の言葉です。歌舞伎で2つの筋を交互に進める演出を「てれこ」と呼んだことが由来とされています。

誤出荷との違い

誤出荷は、出荷ミス全般を指す言葉です。品違い、数量違い、届け先違いなどが含まれます。テレコ出荷はその中でも、2件が入れ替わる種類のミスです。

品違いなら1件のクレームで済みますが、テレコ出荷では2件のクレームが同時に発生します。回収と再送も2件分必要になり、2社への説明も必要です。

よくある3つのパターン

  1. 送り状の貼り違い:荷物Aに、荷物Bの送り状を貼ってしまう。
  2. 同梱物の入れ違い:荷物は正しいが、納品書や添付書類が別の注文のものになっている。
  3. ピッキング段階での取り違え:似た品番や同じ形の箱を、別の注文のものとして取ってしまう。

テレコ出荷が起きる原因

現場で話を聞くと、原因はおおむね次のどれかに当てはまります。

  • 複数の注文を並べて作業している:作業台に2〜3件分の荷物を並べて梱包すると、送り状を貼る段階で取り違えが起きやすくなります。
  • 送り状を先にまとめて印刷している:束になった送り状を後から1枚ずつ貼る運用では、順番が1つずれるだけで全件がテレコになります。
  • 品番や届け先が似ている:同じ取引先の別拠点や、末尾だけ違う品番は、目で見て区別するのが困難です。
  • 確認が人の注意力に頼っている:ダブルチェックをしていても、忙しい時間帯や残業中は確認が形だけになりがちです。

目視のダブルチェックで防ぎきれない理由

ダブルチェックは大切ですが、「2人で見たから大丈夫」という安心感が、かえって確認を甘くすることがあります。何より、見ているのが人である以上、ミスをゼロにすることはできません。

テレコ出荷を確実に減らすには、人が見て判断する確認を、機械が一致・不一致を判定する確認に置き換えることが近道です。

テレコ出荷を防ぐ仕組み:バーコード照合

基本の考え方は、工程ごとに「スキャンして一致したら次へ進む」です。

1. 出荷指示ラベルを荷物に貼る

注文ごとに、出荷先や注文番号を特定できるバーコード付きの「出荷指示ラベル」を印刷し、荷物(または通い箱)に貼ります。ここから先は、このラベルが荷物の名札になります。

2. ピッキングと検品でスキャンする

棚から取った製品のバーコードをスキャンし、出荷指示の内容と照合します。品番や数量に差異があれば、その場で画面に表示します。

3. 送り状を貼るときに照合する

テレコ出荷を防ぐ要の工程です。荷物の出荷指示ラベルと、送り状に印字された送り状番号のバーコードを続けてスキャンし、同じ注文の組み合わせかどうかをシステムが照合します。

不一致なら、その場で作業を止めて警告を出します。今使っている送り状をそのまま活用できるので、比較的導入しやすい方法です。

4. 運用ルールもあわせて決める

仕組みと同じくらい、次のような決めごとが効きます。

  • 1件ずつ「ラベル → 検品 → 梱包 → 送り状」まで完結させてから、次の注文に移る
  • 送り状は、できるだけ貼る直前に1件ずつ発行する
  • 警告が出たら、その荷物をいったん作業台から外し、最初から確認し直す

実例:誤送を年0件にした物流センター

ここからは、私が前職のメーカーで物流センターの業務改善を担当していたときの事例です(2016年)。

導入前の課題

  • 誤送が多く、そのリカバリーに時間がかかっていた
  • 物流スタッフの作業量が見えず、残業で対応していた
  • ピッキングは、慣れた特定の担当者にしかできなかった

つくった仕組み

Claris FileMaker で物流管理システムをつくり、作業端末には iPhone(FileMaker Go)を使いました。専用のハンディ端末は高価なため、手に入れやすい端末で現場に配れる形を選びました。

端末のメニューは、ピッキング・検品・梱包・送り状貼付・出荷待機という作業の流れに沿って並べました。

  • ピッキング:棚番と製品の場所を、倉庫の見取り図の上に表示する
  • 検品:製品コードをスキャンし、出荷指示との差異を表示する
  • 送り状貼付:出荷指示と送り状のバーコードを照合し、不一致なら先へ進めない

あわせて「カンバン」を導入し、誰がどの作業をどれだけ抱えているかを見えるようにしました。

開発は外部の FileMaker 開発会社と組み、9割を依頼、1割を社内で担当しました。

結果

  • 誤送件数:年0件
  • 作業時間:年2,082時間の削減
  • ピッキング業務の属人化が解消し、担当者以外でも作業できるようになった

大がかりな物流システムを入れたわけではありません。今ある送り状や作業の流れを変えずに、「スキャンして一致したら次へ」という確認を工程ごとに挟んだことが効きました。

小さく始めるなら、送り状の照合から

すべての工程を一度にシステム化する必要はありません。最初の一歩としては、テレコ出荷に直結する送り状を貼る工程の照合から始めるのがおすすめです。

必要なものは、おおむね次の3つです。

  1. 注文ごとの出荷指示ラベル(バーコード付き)を印刷する仕組み
  2. スキャナ(スマートフォンやタブレットのカメラでも可)
  3. 出荷指示と送り状番号を照合する小さなアプリ

送り状番号は、運送会社の送り状発行システムからデータで取り込めることが多いです。今の出荷の流れを紙に書き出し、どこで取り違えが起きやすいかを確かめるところから始めてみてください。

関連して、検品の考え方は「在庫管理の効率化!検品の重要性と実践方法。」、ピッキングの属人化については「業務の属人化とは?原因と解決策を徹底解説。」でも書いています。

まとめ

  • テレコ出荷とは、2件の荷物や送り状が入れ替わって出荷されるミスで、1件のミスで2社に影響が出る
  • 原因は「複数件の並行作業」「送り状の先行印刷」「似た品番・届け先」「人の注意力頼み」が多い
  • 目視のダブルチェックではゼロにできない。工程ごとのバーコード照合で、機械に一致・不一致を判定させる
  • 送り状を貼る工程の照合だけでも効果は大きく、小さく始められる

リナークでは、出荷や在庫の現場の流れを一緒に整理し、必要なところから小さく仕組みにするお手伝いをしています。「うちの出荷のどこで取り違えが起きているのか分からない」という段階でも構いません。お問い合わせから、今の困りごとをお聞かせください。

まず一つの仕事を書き出してみませんか。

きれいな資料にする必要はありません。紙やホワイトボードに、箱と矢印で書くだけでも構いません。システムを作るか決まっていない段階でも、業務整理から相談できます。

一つの受注、一つの製品、一つの業務について

  1. 誰が関わっているか
  2. 何を受け取っているか
  3. 何を見て判断しているか
  4. 結果をどこへ残しているか
  5. 次回に生かせる情報が残っているか